研究方法(分子動力学法について)

前回は私の研究の背景と簡単な目的を紹介させていただきました。話が難しかったですが、ご理解できましたかね…。今回も難しいかもしれませんが、物理やプログラミングを活用しているので、他の記事で学んだことを応用してると思ってください。これを読んでいただければ、こんな活用方法があるんだーなどの気付きがあるかもしれませんので、ぜひ読んでいただければと思います。

前回も紹介しましたように私の研究はパソコンを使って研究をしています。パソコンといってもガチャガチャ組み立てたりするわけではなく、私が分子を作り、それをパソコンに「計算お願い」ってお願いして計算してもらいます。計算してもらった結果を解析して結果をまとめます。これが本研究の流れになります。

計算をお願いするにも目的に合わせて計算させる必要があります。その目的を果たすために数ある手法の中からベストな手法選択し、実行させる必要もあります。その手法の中でも私の研究では分子動力学法という手法を使います。

分子動力学法を簡単に説明すると「分子の集団を箱に詰めて温度や圧力などを与えて、分子の挙動を調べる方法」となります。ここで大切なのが”分子の集団”ということです。前回の研究背景でも紹介したように分子単体では発現しなかった性質が分子の集団では発現するかもしれません。分子動力学法では、分子単体をたくさん集めて温度や圧力を与え、その挙動を調べていきます。

本研究では分子集団の熱的な挙動を調べていきます。熱とはエネルギーの一部で高温から低温に流れていく性質を持っていたり、熱を運動(仕事)に変換することができたりと様々な性質を持つ概念です。熱というと温度のイメージが強いと思いますが、違う概念です。違う概念と言いつつ本研究では分子集団に一定に温度を与えて調べるので、熱的性質とごちゃごちゃしてしまうかもしれません…ができるだけ厳密に説明できるようにします。

熱的性質を調べるにもどういった物理量を調べるかは重要です。本研究では温度、体積、エンタルピーなどの熱力学的量の他、分子同士の距離や角度といった幾何学的量も調べます。熱力学的量と幾何学的量に何か相関が見つかるといいなという希望で調べます。

読者の皆さんには研究のストーリーを楽しんでほしいですが、本研究を進めていくうちに大量のデータを処理したり、熱力学や論理的思考(?)など役立つ情報も配信できたらと思うので、是非ほかの記事のついでに読んでもらえたらと思います。

2023/08/29 J.A.

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