研究紹介

私が趣味で行っている研究の紹介させていただきます。

本研究を通して得たプログラミング技術や勉強したことなどを備忘録的に書き記していきたいと思っています。ご覧になっている方には得た技術・知識をイメージを使って説明できたらと思っています。

研究背景

まず、背景です。私が行っている研究テーマは「分子動力学シミュレーションによる非晶質有機半導体の構造解析」です。


有機半導体と聞いてもあまりなじみがないと思いますが、「有機ELテレビ」や「任天堂switchの有機ELモデル」などに使われている材料になります。この有機半導体はこれまでの半導体と違う点がいくつもあります。その違う点がどのようにテレビやゲーム機本体などのデバイスに影響するか、より効率的に動作させるためにはどうしたら良いかなどを研究対象としています。


いくつもある違う点の中でも私は「構造」というものに着目しています。構造とは建物で言うと木の組み方になります。組み方は同じでも木造や鉄筋の違いは材料の違いに当たります。

これまでの半導体のほとんどは材料は違えど構造にあまり変化はありません。変化のない構造をネガティブではなく、むしろ現象が理解がしやすく、量産しやすいという非常に大きな利点があります。

この変化のない構造は一般的に原子という点がきれいな配列をした結晶(構造)といいます。材料の違いはこの原子の点の種類が変わることになります。これまでの半導体は原子の点が変わっても結晶構造に大きな変化はありません。

これまでの半導体は原子が規則正しく配列した結晶構造でした。このような半導体は無機半導体と呼ばれる半導体です。

私が扱う半導体は有機半導体ですが、こちらは規則正しく並んだ結晶構造でなくともデバイスとして扱うことができます。詳しい話は省きますが、デバイスの中でも有機ELと呼ばれるデバイスではむしろ結晶構造ではない方が寿命が長いことが知られています。結晶構造ではない構造を非晶質(構造)といいます。キーワードは無秩序、ランダム、等方性などあります。

イメージとしてはボールペンやシャープペンシルなどを手で持ってテーブルにばら撒いて、ペンがぐちゃぐちゃで適当な配置になっている感じです。ビー玉のような球ではなくペンのような棒状なもので行うことが重要です。ビー玉のような球は原子のイメージですが、ペンのような棒状は分子をイメージしています。基本的に有機半導体に使われる材料は原子ではなく、分子が主役になります。もちろん、球状の分子もありますが、基本的には棒状の分子を扱います。

これでなんとなく非晶質有機半導体のイメージを持っていただいたでしょか?

簡単に言うと棒状のペンをテーブルにばら撒けばOKです(笑)。しかし、これでは研究になりませんので、ばら撒いたペンを集めましょう。とりあえず、何も考えず両手でかき集めましょう。すると手にペンが刺さりながらも両手に納まるほどの大きさになります。それでもペンの配列は無秩序だと思います(丁寧に集めたらきれいに配列しますが、何も考えずに集めましょう)。

その集めたペンたちをよく観察すると鉛筆のようなまっすぐなペン同士はぺったり隙間なく配列していたり、キャップ付きボールペンや太さが一様でない万年筆などキャップや太さの違いで隙間ができたり、逆にうまく組み合わさって隙間なくなったり、いろいろな配列ができているかと思います。このような隙間があったり、なかったりする配列がある種の非晶質構造になります。

ペンの種類や集め方などで毎回その構造は変化します。隙間や組み合わせ方のような小さな見方をすれば毎回変化しますが、手に納まらなくらい大きくなっていくと、同じペンの種類、集め方を統一化するとどんな場所でもどんな時代でも平均化され同じ性質になります。

例えば、同じボールペンで手でかき集めるという行為をどんな場所でもどんな時間で行っても堅いし手に刺さるという性質は変わらないと思います。なぜ、毎回隙間や組み合わせ方が違うのに同じ性質になるのでしょうか?多分、誰もわかりません。それを非晶質有機半導体という狭い分野ですが、明らかにしていこうと思いました。

これまでの話を分子や手法に置き換えてきます。
ペンの種類は分子の種類、集め方を一気に集めるか・一つずつ集めるかの違い、隙間や組み方の解析に分子動力学シミュレーション、大きな見方の性質を実験結果(私の場合、論文などの参考文献です)で分析してみたいと思います。
また、基礎理論として、熱力学や統計力学、表面化学、計算機科学など扱っていきたいと思っています。これら基礎理論は他の記事でも紹介したいと思います。

2023/08/09 J.A

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