数学と物理に使われる重みについて-統計力学、量子力学、AIに使われる理由-

はじめに

今回は数学や物理に現れる重みについて解説します。統計力学やAIの勉強をしていると何の説明もなく「重み」や「重み付け」という言葉が度々登場します。私自身、何も知らないときに会議中に「重み」と言われたときに理解できず話が進んだ記憶があります。「重み」を勉強しようにも詳しく説明されているわけでもありませんでした。しかし、いろんな所で使われていることが分かり、なんとなく理解することができました。そこで、「重み」についてよく分からない方や使い方が分からない方などに向けて解説していきたいと思います。

解説

まずは直観的に

まずは直観的に「重み」について説明します。

生きる上で重要視しているものは何でしょうか?

お金?人脈?趣味?
いろいろあると思います。一番を決めるのは不可能ではないでしょうか?そこで、「重み」という概念を使うと重要度が見えてきます。

例えば、人生を100としたとき、お金を30、人脈を20、趣味を50と割り振ればなんとなく趣味が重要なんだな~と思えるでしょう。

この30、20、50が重要度であり、重みなります。このままでは他の要因が関わってきたときに対処できませんし、1年後30、20、50が異なっている可能性が大いにあります。そこで、これを式で表してもう少し融通を利かせましょう。

人生要因縦ベクトル

まずは現時点での人生に関わる要因を羅列します。

$$ \left( \begin{array}{c} お金 \\ 人脈 \\ 趣味 \\ \vdots \end{array} \right) $$

括弧でしかも縦に並べる必要があるのかとツッコミがきそうですが、後で分かります。とりあえず、これを「人生要因縦ベクトル」と名付けます。縦ベクトルとは縦に並べたものだと思ってください。

重み横ベクトル

じゃ、横ベクトルもついでに定義しておきましょう。

$$ ( 30, 20, 50, \ldots ) $$

と数字の羅列にします。ここで30、20、50で気づいた方もいるかもしれません。先ほどの人生における重要度になります。すなわち重みになります。ここでは適当に数字を割り振っても構いません。しかし、ルールを決めておきます。今回の場合、合計して100になるようにします。そして、この数字の羅列を「重み横ベクトル」とします。

完成形

とりあえず、「人生要因縦ベクトル」と「重み横ベクトル」ができました。これを人生=の形して、人生の要因と重み(重要度)を関連付けさせましょう。やり方は簡単で、掛けて足すだけです。ただし、ルールとして、掛け算は一番上と一番左、上から二番目と左からの二番目、と上からの順番と左から順番を一致させて実行します。掛け算ができたら、すべてを足し算します。結果は以下の式になるかと思います。

$$ 人生 = 30 × お金 + 20 × 人脈 + 50 × 趣味 + … $$

これが完成形です。この式を見たら「人生はお金が30、人脈が20、趣味が50の重要性がある」と翻訳してください。…は他の重要度が出た時に追加したり、変更したりできる柔軟性があると思ってください。

この完成形は数学や物理では非常に重要な考えになります。

「重み」についてなんとなく分かったもらえたかと思います。次にこの記事で説明した例で見てみましょう。

統計力学を例に

「系の内部エネルギーは確率分布を固有エネルギーで重みづけした量」と訳すことができます。

まずは内部エネルギーに重要な因子を見てみます。確率分布か固有エネルギーどちらかなのですが、固有エネルギーは因子というよりもエネルギーの量のような気がします。そこで今回は確率分布を重視な因子の羅列をしてみましょう。羅列方法は上のように()で並べることもできますが、グラフでも羅列できます。横軸に順番、縦軸に確率で表せたとき下のような分布が得られたとします。

横軸は小さい方が重要で、大きくなるにつれ重要性が低くなっている分布です。

統計力学的には基底状態(n=0)の方が状態がとりうる確率が大きく、励起状態の確率は小さくなるということです。内部エネルギーは基底状態も励起状態もいろんな状態を含めてのエネルギーですが、重要度を決めるとさらに内部エネルギーっぽいというのが翻訳です。

すごく、おおざっぱですがなんとなく理解してもらえたでしょうか?

最後に

今回は物理やAIの分野で非常に重要な考えの一つである「重み」について解説しました。参考書などではあまり深く解説されていないことですが、この考えは非常に重要だと思っています。これが分かると物理やAIをより深く理解することができ、応用ができると思っています。ぜひ、理解して使いこなせるようにしましょう。

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